海にかこまれた文化豊かな唐津には、ふらりと旅で訪れたいカフェが数多くあります。唐津っ子も通うまちなかの人気店から、奥深い唐津の面白さを知る古民家カフェまで、個性も様々。今回の「KARAE Report」では、「唐津のカフェ巡り特集《前編》」に引き続き、食にフォーカスを当てて唐津の魅力を発見するカフェ巡り《後編》をお届けします。
唐津駅からまっすぐに歩くこと5分。真っ白な壁が眩しい「FUN(ファン)」は、まちの一角にある小さなテイクアウト専門フルーツサンドカフェです。2020年にオープンして以降、毎日行列ができるほどの人気ぶり!ファンの心を掴んだのは”断萌え”な色とりどりの豊富な種類のサンドイッチ。
お店をオープンしたきっかけは、農家でもあるオーナー・中原さんの「野菜の端材を捨てるのはもったいない!」 という想いでした。4年前からひとりで農業をはじめ、野菜作りを研究していた中原さん。あるとき、「売り物にならない規格外の野菜や果物をピクルスやサンドイッチにすれば、美味しく食べてもらえるのでは?」と思い付き、このお店がスタートしました。現在お店で販売しているサンドイッチの具材は、中原さんの自家栽培のほか、地元の農家や市場から仕入れた旬ものです。
たっぷりのクリームとフレッシュな果物をサンドしたボリューム満点のフルーツサンドや、小腹が空いたときにおススメのお惣菜系サンドと種類は様々。ショーケースに並ぶ色とりどりのサンドイッチに心が躍ります。
全て手作りのサンドイッチは、とれたての唐津産の果物や野菜を用い、その他チーズ、水切りヨーグルト、クリームなど、ベストマッチな組み合わせを考え、可愛いスクエア型に仕上げています。こだわりはこの断面。新鮮な地元野菜や果物を、美味しいだけでなく、見た目にも楽しい気持ちになるようラッピングされていることが人気の秘密です。
地元の野菜・果物を美味しく・楽しく!まさに「FUN」が詰まったお店です。サンドイッチはなくなり次第終了なので、お求めの方はお早めに。
唐津のまちなかから車で走ること約30分、南伊万里の山間、櫨ノ谷(はぜのたに)に凛と佇むのは、古民家カフェ「cafe reed(カフェリード)」です。あたりには田畑が広がり、聞こえるのは鳥のさえずりや葉擦れの音…。日本の原風景を目の前に、日々の喧騒を忘れ、どこか懐かしさすら感じられる安らぎの時間がここにあります。
cafe reedをプロデュースするのは、唐津焼窯元「櫨ノ谷窯」の窯主・吉野敬子さんです。父・吉野魁さんから窯を受け継ぎ、昔ながらの作陶スタイル”半農半陶”を守る吉野さんは、農家の家だった茅葺屋根の日本家屋を”今のわびさび”を感じられる空間へと改装。母屋は吉野さんの器が並ぶやきものギャラリー(見学可)、牛小屋はカフェとなり、さらに奥には茶室が造作されています。いずれも日本家屋が持つ趣深い造形を今に伝える建築美です。
cafe reedで頂けるのは、自家製スウィーツ、自家焙煎珈琲、野草から炒れるコウカ茶など、櫨ノ谷で採れる食材を活かしたオリジナルメニューです。自然農法で育てられた野菜や果物を用いた自家製スウィーツは季節折々で変わり、何度訪れても新しい発見と感動があります。この日のスウィーツは、オーガニック檸檬と木の実をつかったチーズケーキのパウンドケーキ。土ものらしい素朴な暖かさを持つ吉野さんの器で頂きます。やきものの手触りを楽しみながら、お腹も心も満たされる至福のひとときです。
唐津焼の隠里・櫨ノ谷で愉しむ奥唐津の旅。食、文化、自然と多彩な唐津ならでは魅力を全身で感じながら、癒しの非日常を味わってみてはいかがでしょうか。
※cafe reedは只今お休み中です
続いてご紹介するのは、横浜から唐津へ移住した女性オーナーが切り盛りする「cafe Luna(カフェルーナ)」。「女性がひとりでも気軽に入れる」をコンセプトにしたお店で、木を基調としたアンティークな家具にオーナーのセンスが光ります。店内の一角には唐津焼やアクセサリーの販売スペースがあり、カウンターの奥にはオーナーこだわりセレクトの唐津焼がずらり。カフェ&ランチタイムには唐津焼湯呑みで「Lunaオリジナルブレンド」コーヒーを楽しめます。
ランチタイムのおススメは、唐津の新ソウルフード「パキスタン」です。口当たりまろやかでコクのあるクリームナポリタンに、地元ブランド「みのり農場」の鶏ガラを用いたチキンベースのカレーをかけた、ルーナ発オリジナルメニュー。「パキスタン」の名前は、ナポリタン(ヨーロッパ)とカレー(インド)を繋ぐ国(パキスタン)が由来なのだとか。さらに、パキスタンにチーズをトッピングしてこんがりと焼いた「焼パキスタン」もあり、チーズ好きは是非試してほしい一品です 。
ランチメニューのほか、焼き立てのクレープや日替わりのケーキなどのカフェメニューはオールタイムで頂けます。さらに、夜になれば唐津の地酒などアルコール類も充実し、カフェは唐津っ子の語らいの場に。お食事だけでなく、唐津通なオーナーが企画する唐津焼の展示会や音楽イベントなどで賑わうカフェルーナは、唐津の情報が集まる交流の場所として、多くの人に愛されています。
最後にご紹介するのは、KARAE1階に入居する「KARAE TABLE」です。ポートランド発祥の「フレッシュ(Fresh)・ローカル(Local)・オーガニック(Organic)・シーズナル(Seasonal)・サステイナブル(Sustainable)」の頭文字をとった「F.L.O.S.S(フロス)」をテーマとしたKARAE直営のカフェ&レストランで、唐津の豊かな食文化を発信しています。
唐津の食文化と言えば、広大な自然が恵む食材はもちろん、日常の食卓に欠かせない存在が伝統工芸の唐津焼です。KARAE TABLEでは、唐津焼陶板アートが壁一面に施され、料理やカフェの器には唐津焼が多く取り入れられていて、アートな視点からも楽しめます。
朝7時半にオープンするKARAE TABLEは、モーニング、ランチ、カフェと様々なシーンで利用できます。地産地消にこだわって開発されたランチメニュー、人気は「玄海町産穂州鯛(ほしゅうだい)のポワレと唐津野菜デリの贅沢プレート」 です。
この穂州鯛は、唐津の玄海町で天然の飼料にこだわった独自の手法で育てられ、養殖独特の臭みがなく口に入れると一気に甘味が広がるのが特徴です。自家製デリには唐津の水耕栽培グットリーフ、唐津ブランド「みのり農園」の卵が使用され、季節の自家製ポタージはその時々の旬の唐津野菜から毎日作られています。唐津の食の豊かさを感じながらいただけるランチです。
カフェタイムには定番人気のケーキのほか、季節限定スウィーツも楽しみのひとつ。この夏は、唐津の伝統文化・唐津焼とコラボした期間限定スウィーツ「唐津焼で楽しむかき氷」が登場しました。フレーバーには唐津ならではの食材が用いられ、「玄海町産いちごさん」「唐津産甘夏」「中川茶園のほうじ茶」の3種から選べます。器に使用されているのは、唐津焼の窯元「櫨ノ谷窯」吉野敬子 さん、「赤水窯」熊本象さん、唐津焼作陶家・岡本修一 さんのやきものです。
唐津らしいローカルなライフスタイルを体感できるKARAE TABLEは、唐津駅前の商店街にあり、観光の足休めにもうってつけ。アート×美食な休日を楽しみに唐津に足を運びませんか。
今回も《前編》に引き続き、奥深く幅広い唐津を「食」から楽しめるカフェをお届けしました。皆さん、いかがでしたか?唐津にはまだまだご紹介しきれていないカフェや喫茶店がたくさん点在しています。情緒ある城下町でお気に入りのお店を探すカフェ探索へ、ぜひおでかけください。
~今回ご紹介したお店~
FUN/ファン
住所
〒847-0014 佐賀県唐津市西城内1-6
TEL
080-7982-7201
営業時間
10:00~17:00 ※売切れ次第終了
休業日
不定休
cafe Reed/カフェリード
住所
〒848-0006 佐賀県伊万里市南波多町高瀬767
TEL
0955-24-2025
営業時間
12:00~18:00 ※土日のみ営業
caffe Luna/カフェルーナ
住所
〒847-0045 佐賀県唐津市京町1768-4
営業時間
ランチ 11:30~14:30(L.O. 14:00)
ディナー 18:00~24:00(L.O. 23:30)
休業日
水曜日
KARAE TABLE/カラエテーブル
住所
〒847-0045 佐賀県唐津市京町1783 KARAE1F
TEL
0955-53-8067
営業時間
7:30~18:00
休業日
不定休
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