メニュー

NEWS

INFO 2021.08.06

KARAE Report Vol.17 唐津藩御用達「中野陶痴窯」の作陶体験/HOTEL KARAE

 
 古くより大陸に門戸を開き、様々な文化を独自に取り入れてきた唐津のまち。そこで生まれた文化が唐津が誇る伝統工芸・唐津焼です。現在も市内に約70もの窯元が点在する唐津は、やきものの里として広く知られています。KARAE3階にある HOTEL KARAE では、唐津のやきもの文化を楽しんでいただくよう窯元とコラボレーションした様々なプランをご提案。今回ご紹介するのは、数ある唐津焼窯元の中でも歴史のある老舗「中野陶痴窯」で楽しむ、手びねり体験です。


唐津焼のはじまり

 唐津は「唐(中国大陸)へ渡る津(港)」の名の通り、古くよりアジアとの交流が盛んで、様々な文化を取り入れてきました。中でも伝統工芸品である唐津焼は、 安土桃山時代に 朝鮮半島から渡ってきた陶工たちがもたらした器の文化です。江戸時代には、唐津港から京都・大阪をはじめ西日本に広がり、陶器である焼き物の代名詞として「からつもの」という名が通るほどに。特に、唐津焼は、千利休が茶席に用いたことから茶器としての地位を確立し、「一井戸二萩三唐津」と謳われ、磁器の有田焼が器の主流になったあとも、江戸幕府の庇護のもと、唐津独自のやきもの文化が受け継がれてきました。そうして現在も、唐津のまちには、約70もの窯元が点在しています。

御用窯だった「中野陶痴窯:なかのとうちがま」

 その中でも、今回てびねり体験ができる「中野陶痴窯」は、江戸時代の安政年間に松島弥五郎が開窯し、以降唐津藩の御用窯〔※1〕として認められた由緒ある窯元です。御用窯とは、唐津藩や幕府への献上品として、藩が陶工・窯業を保護育成し、援助していた窯元です。 そういうわけで、「中野陶痴窯」の 窯印(※1)は、いまでも旧唐津藩主・小笠原公の家紋である「三階菱(さんかいびし)」となっています。

〔※1〕窯印
どこの窯元で制作されたやきものかを示す印の模様。通常やかれる器の裏側に入れられる。

 窯元を訪れて、まず目を惹くのは大きな登り窯です。初代が江戸時代後期に築窯した貴重な割竹式四段登り窯で、唐津の窯でも最大級を誇ります。唐津焼の焼成は、時代と共に電気窯やガス窯など様々な技術が用いられるようになったものの、今でも多くの窯元が大陸より伝わった登り窯を使っています。傾斜を利用する登り窯は、その特徴により、山中に築窯する窯元が多いのですが、かつて藩の御用窯として保護されてきた「中野陶痴窯」は、最大級の登り窯ながらも、KARAEから徒歩15分ほどのまちなかにあります。

この登り窯には”邪気を払う”といわれる縁起の良い動物・バグが潜んでいるそう。ぜひ探してみてくださいね。

この唐津で最大級の登り窯で焼かれた代表作は、唐津駅前にそびえ立つ「唐津くんち〔※2〕」1番曳山・赤獅子の銅像。その姿は、近くで見ると迫力満点でいて繊細で、本物の曳山の造形美を見事に表しています! 1年をかけて制作され、高さ約3.5m、重さ約2.1tもあるそうです。

〔※2〕唐津くんち
ユネスコ無形文化遺産に登録された、唐津神社の秋季例大祭。14ヵの町人町それぞれが、山車である曳山(ひきやま)を曳いて、唐津のまちを練り歩く、唐津っ子のアイデンティティとなっているお祭。

唐津駅の北口にそびえたつ「唐津くんち」の赤獅子像。

あなただけの器を作って、焼き物の里・唐津滞在をさらに特別な旅に

 そんな 「中野陶痴窯」で 唐津最大級の登り窯を見学した後は、手びねり体験へ。手びねりとは、土を伸ばしながら焼き物を成形する技法です。手回しろくろの上で、ひも状にした土を積んだり、ボール状の土に穴をあけるようにして形にします。粘土遊びのようにこねながら制作するため、小さなお子さんも遊び感覚で焼き物を体験できますよ。

 ちょっと上級編に挑戦したい方は是非ろくろ体験をどうぞ。 使用するのは、足元のペダルを踏むことで回転するモーター付きの電動ろくろです。 厚みのある土を、濡らした両指先ではさんで、ろくろの回転と共にゆっくりと引き伸ばします。ろくろのスピードや土に触れる力加減に慣れるにはやや時間が必要ですが、手びねりに比べて薄く成形できるので、より本格的な器に仕上がります。中には、納得のいく完成度を追い求めて、ろくろ体験に通い詰める方もいらっしゃるのだとか。

 湯呑みやマグカップ、お茶碗、平皿など、自分好みの形を作陶できるのが、ここ 「中野陶痴窯」 体験の醍醐味。自分で作る器は、焼き上がったときの感動もひとしお。使われて初めて完成されるという”用の美”の文化を持つ唐津焼は、使えば使うほどに手に馴染み、愛着が湧いてくることでしょう。「どんなお料理をのせようかな」と、普段のお食事も楽しくなるかもしれませんね。

 そして、 手びねり・ろくろ体験を教えてくれるのは、「中野陶痴窯」の中野正之さんです。この伝統ある窯元で生まれ育った唐津っ子で、大学で造形を学んだのち、祖父である4代目中野陶痴に師事し、作陶家の道に入りました。現在は父である5代目中野陶痴と共に、老舗の窯元を守っています。

 受け継がれてきた伝統を守りながらも、モダンなエッセンスを加えるのが中野さんの作風です。「唐津焼という伝統産業を、新しいものを取り入れながらそれぞれの形で守り継いでいくのが、古くより外からいろんな文化を取り入れてきたこのまちには似合っているのだと思います」と話す中野さん。伝統と革新の両面を持ち合わせた、唐津焼の未来を創っていく次世代の作り手です。

 唐津のまちと共に歩んできた伝統文化である焼き物を、老舗の窯元で体験できる「手びねり体験」。御用窯として重宝されてきた唐津焼の歴史に思いを馳せながら、自分だけの器を作陶してみませんか?


唐津藩御用達「中野陶痴窯」手びねり体験
プランの詳細内容&ご予約はコチラ

▼体験催行時間
①10:00~ (約1~2時間)
②14:00~ (約1~2時間)
▼その他
・定員:6名(最少催行人員:2名)
・プランに含まれるもの:登り窯見学、手びね体験指導料、焼き物(最大3点)、焼成代
※体験で完成した作品は後日郵送(送料別)となります
お問合せ
HOTELKARAE: https://www.hotelkarae.com/
TEL :0955-53-8067
TW:@HotelKarae
IG:@hotel_karae_


ふるさと納税で唐津を楽しむ

唐津に遊びに行きたい!唐津の食を満喫したい!マイ唐津焼をゲットしたい!そんな皆さんの思いが「ふるさと納税」で実現できます。KARAEの1階の唐津で22年ぶりに復活した映画館THEATER ENYA(シアター・エンヤ)を運営する一般社団法人Karatsu Film Prifect活動を支援する「佐賀県NPOふるさと支援」では、中野陶痴窯で体験できる「手びねり体験プラン」など様々な唐津STAYを提案するHOTEL KARAEに宿泊したり、唐津のミシュランをとった飲食店で食事を楽しんだり、唐津焼を購入したりできます。これから宿泊できる宿やご予約できる飲食店がますます増えるとのこと。楽しみですね。

友だち追加